ポジティブ心理学とは?ポジティブ心理学実践インストラクターが解説

このブログ「ジンセイコンサル」は「ポジティブ心理学実践インストラクター」と「理学療法士」の資格を持つ管理人西野が情報発信するブログです。この記事では、「ポジティブ心理学」について解説しています。

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ポジティブ心理学とは?

質問

ポジティブ心理学ってなに?

ニシノ

ポジティブ心理学は、1998年、米国心理学会会長であったペンシルベニア大学心理学部教授のマーティン・E・P・セリグマン博士によって創設された心理学です。

質問

結構新しい学問なんだね。すごそうなのは分かるけど、なんか難しそうで良くわからないです笑。特徴は?

ニシノ

旧来の心理学が人間のネガティブな側面にフォーカスしていたのに対して、ポジティブな側面にフォーカスしたものがポジティブ心理学です。「なぜ上手くいかないのか」ではなく、「人生をより良くするためにどうすれば良いのか?」ということを心理学的・科学的に研究しています。セリグマンは、統計データに基づき「人間が持つ潜在能力を十分に開花させ、自分がなり得る最高の自分になるための科学的研究だ」と述べています。

質問

具体的に何が良いの?

ニシノ

勉強して実践することで、より良く人生を好転させていくことができる学問です。仕事も収入も人間関係も、全ては自分の心の持ち方に掛かっていると言っても過言ではありません。

質問

まぁ、そうだね。

ニシノ

簡単にいうと、心理学の進化&実践版といった感じです。社会科学(経済学、経営学、社会学など)や自然科学(生物学、脳神経科学など)によるアプローチ、さらには人文学(文学、芸術学など)によるアプローチも試験的に始まっています。徳倫理学も含まれており、ポジティブ心理学においては、”より良く生きること”=”より善く生きること”と定義されています。

質問

総合的で実践的な、より日常に即した心理学ということだね。

ニシノ

そうですね。一人の学者が系統立てて研究している学問ではなく、バーバラ・フレドリクソン「ポジテイブ感情」、ミハイ・チクセント・ミハイの「フロー(没入体験)」、タル・ベン・シャハー「幸福」などの研究者がおり、様々な研究結果を掛け合わせて学問にしているので、応用的で日常生活に活かせることが多いですね。

ポジティブ心理学は科学的実証を重視

ポジティブ心理学と対象テーマが似た学問で、「人間性心理学」があります。

これは第二次世界大戦後にアブラハム・マズローを中心に研究された学問ですが、定性的な分析(性質の様子や変化など数字で表せないことを分析すること)を主体としていました。

一方で、ポジティブ心理学は定量的な分析(数値を用いて具体的に分析すること)を大切にしています。よって、研究するテーマは似ていても、実証するための方法は異なります。

ポジティブ心理学は、より科学的で皆が使いやすい学問であるといえると思います。

ポジティブ心理学の3つの階層とテーマ

ポジティブ心理学が対象としている範囲は、

  1. 主観的
  2. 個人的
  3. 社会的

の3つの階層・テーマがあります。

主観的範囲

「良い気分に感じること」に焦点を当てた領域です。

  1. 感情
  2. 充実感
  3. フロー(没頭)
  4. 楽観性
  5. 幸福

について研究します。

感情
充実感
フロー(没頭)
楽観性
幸福
主観的 well-being(ウェルビーイング)

well-beingとは「よりよく生きること」を意味し、日本語では「満足と充実を兼ねた幸せな状態を目指して生きること」という意味です。(研究者によって解釈は若干異なります。)

ポジティブ心理学では、well-beingを実践することが大きなテーマになっています。

個人的範囲

「良い人生」を送るためには何が必要か、「良い(善い)人間」でいるために必要な資質とは何か?を研究する領域です。

  • 強み
  • 美徳
  • スキル
  • 独創性
  • 創造性
  • レジリエンス
  • 忍耐
  • 勇気
  • 困難への対処法

など。

社会的範囲

「良い社会」や「良い組織」について研究する領域です。

  • 教育
  • 労働倫理
  • 組織開発

など。

これらをどうすれば実際に活かせるのか、研究するのがポジティブ心理学です。

ポジティブ心理学とウェルビーイング

私は、ウェルビーイングの概念を知った時、絶対にこれからの時代に必要とされる考え方になる!と感動し、もっと深く勉強したいと強く思いました。適当な学問を探していたところ、ポジティブ心理学に出会いました。

ウェルビーイングな生き方を実践し、周囲に発信する時に、どうすれば幸せになれるか?を科学するポジティブ心理学は確実に役に立ちます。

ポジティブ心理学の「PERMA(パーマ)」

ポジティブ心理学において、well-beingを追求するために重要な概念に「PERMA(パーマ)」があります。5つの幸せの要素を説明したものです。最近ではVも追加して、PERMAVということもあります。

  1. ポジティブ感情(Positive)
  2. 熱中(Engagement)
  3. 人間関係(Relationship)
  4. 意義(Meaning)
  5. 達成感(Achievement)

※追加で活力(Vitality)

これらは人が幸福に生きるために必要な要素だと言われています。

詳細は別記事に記載しているので、どうぞ。

ポジティブ心理学を日常生活に活用するメリット

男の子

このブログを通してポジティブ心理学について知ることで、こんなメリットがあるよ!

幸福度が上がる

幸福度を高める方法が科学的な調査でわかってきています。ポジティブ心理学を学ぶことで、日々の生活の中での幸福度を上げることができます。

仕事の効率が良くなる

幸福感を高めることで仕事の効率が上がります。いつも不幸に感じている人よりも、幸福感を感じている人は、クリエイティビティ(創造性)が増すことが明らかになっています。また生産性も向上するので、全体的なパフォーマンスも向上します。

集中力の上げ方が分かる

ポジティブ心理学の中で「フロー」、つまり、今やっていることに没頭する経験を大切にする考え方をします。没頭し、幸せになる仕組みを知ることで集中力をコントロールできるようになります。

周囲も幸せになる

ポジティブ心理学で幸せになれるのは自分だけではありません。不機嫌で不幸だと嘆いている人のそばにいるよりも、幸福な人のそばにいる方が、周りの人が幸せを感じることが科学的に分かっています。つまり、あなたが幸せになることで周りの人を幸せにすることができます。

ポジティブ心理学でオススメの本

ポジティブ心理学の概要を掴むのにぴったりの本は、「ポジテイブ心理学が1冊で分かる本」です。文字通り、手軽に全体像を把握することができます。

ポジティブ心理学の動画

ポジティブ心理学の第一人者である、マーティン・セリグマン博士がポジティブ心理学についてTEDでスピーチしている動画もご紹介しておきます。

時間があるときにどうぞ。

ポジティブ心理学はみんなが学ぶべき学問

私たちの周りには、学校では教えてくれないことで悩んでいる人がたくさんいますよね。

実社会で、「数学の方程式が解けなくて悩んでいる」という話は聞いたことがありませんが、お金のことで皆一度は悩みますし、恋愛や人間関係も必ずみんなが悩む問題です。

人が幸せになるために生きているとするのであれば、

  • 他者と良好な人間関係を築くための知識
  • 自分に必要なだけお金を稼ぎ、効果的に使うための知識
  • 身体の健康に関する知識

は必須です。

今までは、実社会に出てから手探りで、これらを時には痛い思いをしたり、失敗しながら学んでいくしかありませんでしたが、ポジティブ心理学を学ぶことで、不必要な苦労をするために貴重な人生の時間を浪費することがなくなります。

ぜひ、ポジティブ心理学を通して、well-beingな生き方を実践してほしいと思っています。