
ポジティブ心理学とポジティブ・シンキングの違いについて説明しています。

最近「ポジティブ心理学」ってたまに聞くけど、「ポジティブ・シンキング」とどう違うの?

全然違いますね!ポジティブ心理学はネガティブな感情もしっかりと認識することで幸福に生きることを目指す心理学です。対してポジティブ・シンキングはネガティブな感情を排除するような考え方のことを指します。
ポジティブ心理学とは?
ポジティブ心理学は1998年頃に提唱された学問で、それまでは「なぜできないのか?」に目を向けた心理学がメインだったのに対し、「どうすればできるのか?」に焦点を当てた、幸福になるための要素を解明する心理学のことです。
また、統計データ(科学的根拠)に基づいているので信頼性が高いのも特徴です。
そういった意味で”ポジティブ”なんですね。
このブログ「well-being発信局」は「ポジティブ心理学実践インストラクター」と「理学療法士」の資格を持つ…
「PERM(パーマ)の法則」が有名
「PERM(パーマ)の法則」が比較的有名です。
PERMとは、マーティン・セリグマンが提唱した、幸せを構成する5つの要素のことです。
- positive(ポジティブな感情)
- engagement(熱中、没頭できるもの)
- relationship(人間関係)
- meaning(意義)
- achievement(達成)
の5つの要素の頭文字を取っています。
この中でのどれか一つでも欠けても幸福を実現することが困難になるとされています。
ネガティブな感情を否定しない
また、ポジティブ心理学では、ネガティブな感情を決して否定しません。ありのままの感情を認め、受け入れることで人は成長し、学ぶということを提唱しています。
バランスを重視
ティッピング・ポイント(転換点)と呼ばれ、ポジティブな感情が3、ネガティブな感情が1、つまり3:1の割合で物事に取り組むと上手くいきやすいとされています。
ポジティブ心理学でのネガティブな感情の捉え方の例
後悔
反省・成長のきっかけになる。
不安
自制や警戒によって身を守ることができます。
悲哀
人生の深みを知ることができます。悲しいことも知っている人の方が言葉に重みがあるものです。
憂鬱
自分が無理していることに気づくことができます。
ポジティブ・シンキングとは?
ポジティブ心理学と比較して、ポジティブ・シンキングでは、ネガティブな感情を否定し、出来事や感情をポジティブ(前向き)に捉えようとする傾向が強くなります。
そのため、ネガティブな感情に存在するメリット(上述)を活用しにくくなります。また独自の経験則や自分なりの判断がベースになっていることが多く、科学的根拠がありません。
何より、本音を隠し、無理やりポジティブに感じようとする試みなので、しんどさを感じることがあります。
すごく辛いことがあった日なのに、「今日もハッピー!」と考えるのはどう考えても無理がありますよね…。
ポジティブ心理学とポジティブ・シンキングの違い まとめ
1.ネガティブな感情をどう扱うか
ポジティブ心理学では、ネガティブな感情も認め、受け入れます。ポジティブ・シンキングはネガティブな感情を否定します。
2.科学的根拠があるかないか
ポジティブ心理学では、統計データに基づいた定量的な分析を行うのに対し、ポジティブ・シンキングでは数字化できないものを扱う、定性的な分析を行います。
これらの違いがあります。
ポジティブ心理学とポジティブ・シンキングを上手く活用し、使い分けることで、前向きによりよく生きることが自ら選択できる人が増えると良いですね!