自然に触れる方が幸せになれる

出来るだけ自然の森に近い場所を選んだほうが、ストレスの少ない生活を送れるという研究レポートが科学誌「ネイチャー」が運営するサイト「Scientific Reports」に掲載されたそうです。

自然に触れる生活を送る方が幸福度が高いという研究結果が最近増えています。

森の近くに住む人々は健康的な”扁桃体”を持っている

ドイツのマックス・プランク研究所が発表した研究結果によると、自然の森のそば、荒れ地に住む人々を調査対象とし、周囲の環境が脳内の扁桃体に与える影響を調べた。

扁桃体は人間の情動(好き・嫌いなど)をつかさどる原始的な部分であり、扁桃体を健康に保つことがストレス耐性を高めると言われている。

その結果、森の近くに住む人々は健康的な扁桃体を持っており、ストレスや不安、鬱状態をうまくコントロール出来ることが分かった。

この研究では、なぜ、自然に触れるとストレスや不安をコントロールしやすくなるのかについては触れていませんが、扁桃体が原始的な脳の部位の一部であるため、自然の中で生活していた過去の人間の生活を思い出すのかもしれません。

人間のストレス

ここからは私の意見ですが、人間が感じるストレスには「不自然なもの」から感じている場合が多くあります。

都市部には人工的に作られた直線や曲線がたくさん積み重なって建築物ができています。しかし、これらの直線と曲線は、人にとってはすごく不自然なものです。

直線は「切断されて作り出された」印象を受けるし、曲線は「圧迫(プレス)されて作り出された」印象を受けます。照明も連続的に強すぎる光が照射されるものがほとんどです。

それらは本来、自然界には存在しないものです。

無意識下でそれらの”不自然だ”というメッセージを受け取り、原始的な脳の部分では軽いストレスを感じているのかもしれません。

自然界の”ゆらぎ”

一方で自然界には”ゆらぎ”が多く存在します。

木漏れ日、海の波や風が分かりやすいですが、強弱があり、ときには消えたり、必ずゆらぎが存在します。

考えてみれば、動物は、呼吸も心臓も血管も、全ての臓器がゆらぎの中で存在しており、生きている=ゆらぎ、つまりリズムを刻んでいることなのではないかと思います。人はこのゆらぎが感じられないものを”死”、あるいは”不自然なもの”と無意識に認識するのかもしれません。

まとめ

自然に触れる機会が多い人は、幸福感を感じやすいという研究が多くあります。

疲れているときは、あえて自然に触れる機会を持つようにしてみるとよいと思います。私も、週に2時間以上は子供たちと公園や自然が多いところに行くようにしています。

その際は、自身の経験から、自然の中の”ゆらぎ”に着目してみると、より自然な自分に戻れると思います。

例えば、木漏れ日を改めて眺めたり、雲の流れや風を感じてみたり、水流がある水の中に手を入れて水の流れを感じてみることです。

「ある程度の法則に従って動いていて、強弱があり、それが心地よく感じる、自然のもの」に触れることでより心が癒される(本来の生物の姿に戻れる)のではないでしょうか。

私は、幸福度を上げること=自然な自分に戻ることであると思います。

つまり、子供の頃に感じていたような、なんでも楽しみ、常に驚きながら世界と触れていた頃の自分の気持ちに戻ることで幸福度は上がりやすくなるのではないでしょうか。