
ついついネガティブな気持ち(怒りや嫉妬など)になってしまうとき、自分の思い込み、勘違い、誤解が原因の場合があります。
今回は、ついついネガティブになってしまうときに使えるテクニック「ABCDE理論」をご紹介します。
YouTubeで解説
ABCDE理論とは
アルバート・エリスが創始した論理療法におけるカウンセリング理論のことで、物事を解釈するときに、私たちは自分の思い込みを通して理解しています。そこに気づくための理論がABCDE理論です。
出来事に対する不快な感じ方を変えることができ、ポジテイブ心理学などのカウンセリングの現場で使われることがあります。
- Activating event(出来事):日常に起きる出来事
- ↓
- Belief(思い込み):信念、認知、考え方や物事の捉え方。
- ↓
- Consequence(結果):不快な感情。怒りや嫉妬、攻撃的な気持ち。
- ↓
- Disputation(反論):Belief(思い込み)を否定する反論。
- ↓
- Effect(効果・感じ方)あるいはEnergization(元気付け)
ABCDE理論での考え方
具体的に、ABCDE理論を生活に活かすための方法は以下になります。
①ネガティブな感情になったとき(A)の自分の思い込み(B)がどんなものか考える
例えば、(A)Activating event(出来事)=「上司が自分の実力を認めてくれないために、給料が上がらない!」と(C)Consequence(結果)=イライラしているとします。
そのイライラは、
- 上司は部下の成果を見てくれて当たり前だ
- 上司は成果で公平に部下を評価すべきだ
と思い込んでいることが原因だとします。これが(B)の思い込みや信念です。
②(B)思い込みに(D)反論できないか考える
この(B)思い込みに(D)反論することを考えてみます。
- 上司はそもそも自分の出世以外にはあまり興味がないかもしれない
- 自分も成果をちゃんと上司に分かりやすくアピールしていないかも?
- 上司と自分では成果だと思うものが違うかも?私はよくできたと思っていても、上司はそうは思っていないかもしれない
- 仮に上司が成果を認めても、給料が上がるという確証はあるのだろうか?
などです。
③効果(E:効果・感じ方)がどう変わるか感じる
自分の中の(B)信念を振り返ってみると、なんの根拠もなく「当たり前だろう」と推測していたことに気付けます。
しかし、これこそが勝手な思い込みであり、自分を苦しめるEffect(効果:不快な感情)を生み出す原因です。
ABCDE理論はカウンセリングだけでなく日常でも使える
多くの物事は解釈によって捉え方(発生する感情)が変わります。
自分の捉え方に気付き、より生きやすく、前向きな気持ちで生きていくための方法としてABCDE理論を知っておくと良いと思います。
ABCDE理論のやり方・実践方法
知っているだけではすぐに忘れてしまいます。アウトプットしてこそ理解が深まります。
ということで、早速実践してみてください。
マインドマップを使う
マインドマップを使って、最近イライラしたことや問題だと思ったことを図解していきましょう。この例は5分くらいでできました。
方法
中心のテーマに問題と感じていることを書いて、思い込みを書き出していきます。そうすると、勝手に解決策となるアイデアが浮かんでくるはずです。
コツは間違っていても良いから、とにかく思い付いたことを書き出すことです。正解なんてなくて、「自分は思い込みで苦しんでいたんだ」と気づければそれでOKです。
マインドマップの使い方や日常生活に活かす方法については下の記事に書いています。
※マインドマップ無料ソフトはこちら「Xマインド」
まとめ
ABCDE理論は、日常生活の些細なことでも使える便利なテクニック・理論です。
私も常日頃実践していますが、不快に思うことのだいたいは自分の勝手な思い込みが原因です。「自分の首を自分で締めて苦しめている」という状況がどれだけ世の中に溢れているか…。
実際に、私は本業のリハビリの現場でもABCDE理論で患者の思い込みに反論して、苦しみの原因に気付いてもらうアプローチをしています。
コツは他人にこの理論を使うときは、必ず「反論はソフトに表現する」こと。人間は感情の生き物なので、嫌われるとそもそも話も聞いてもらえませんよね。
自分で自分に使う場合はバシバシ厳しめに反論してもOKです。
ぜひ日常生活で応用し、さらに、人とお話する仕事をしている方は他者にもABCDE理論を使ってみてください。
“ABCDE理論で日常的にネガティブな感情を減らす方法” への1件のフィードバック