老いることとは「蓄積」である

私は理学療法士として11年働いていますが、高齢者と毎日関わるなかで確信できたことがあります。

「年を取るとなにもかも弱る」は嘘

世間では、年を取ると「頭も鈍くなるし、体も病気だらけ、体力もなくなる」と思っている人が多いと思います。

私も過去にはそう思っていました。

 

しかし、最近分かったのですが、実際はそうでもありません。

老いること=蓄積です。

 

今まで良いことをちゃんと蓄積したきた人は、年を取るごとに若い人が逆立ちしても勝てないような”生きる力(熟達した知恵や経験)”を持っています。

逆に、今まで蓄積をせず、ただ時間を浪費してきた人は、年を重ねるごとに冒頭に述べたように、ただただ体力や能力が消耗した状態になってしまいます。

悩みとどう向き合うか?

私は、人間の悩みには大きく3つのカテゴリーがあると思っています。

  1. 人間関係(恋愛、友人・知人、子供、家族など)
  2. お金
  3. 健康

です。

このうち人生のフェーズによって悩みのウェイト(重み)が異なります。

ニシノ

不思議と「自分で学び、行動しないと対処できない悩み」ばかりだね。他人に人生を任せてはいけないということ。

幼少期や学生時代であれば、人間関係が主な悩みである人が多い。

成人になり、働き出してからはお金で悩む人が多いです。その後、退職したり、歳を重ねて老年期になると、健康が主な悩みになっていきます。

 

もちろん、人によって悩みの深さや、悩みのカテゴリーが同時に重複している場合もありますが、基本的には万人にこのような流れで人生が進んでいきます。

 

年を重ねて「熟している人」は、この悩みに徹底的に立ち向かい、自分なりに克服したり、対処法を学んできています。だから、次のフェーズに移って、新たな悩みが噴出してきても悩みが蓄積されていく事はありません。

悩みは解決していかないと複雑に絡み合う

しかし、一方で、歳を重ねて「消耗している人」はこの悩みを”なんとなくスルー”してきてしまい、歳を重ねれば重ねるほど、悩みが深く、重なり合い、人生が重苦しいものになっていきます。

ある人は、「私は悪くない、あの人が悪い」と他責にすることでその悩みに向き合おうとしないかもしれません。

1つのカテゴリーだけであれば、それに集中して対処していくことができますが、それぞれが複雑に絡まり合い、関連する小さい問題が噴出するようになると、それを解消するのは容易ではありません。

人によっては”やけくそ”で自暴自棄になってしまったり、「もう早く死にたい」などと”人間の最終言い訳”を言ってしまうこともあります。

私の経験上、「もう、あとは死ぬだけだから何もやりたくない」、「早く死にたい」という高齢者はすごく多いです。

 

しかし、私たちも全く同じ世界線上に生きています。

大地震がいますぐに起きて死ぬかもしれないし、明日の出勤の時に交通事故に巻き込まれて死ぬかもしれません。死は高齢者だけに存在するものではなく、生きとし生けるもの全ての「常にそばに」存在しているものです。

年齢の問題ではなく、意識しているか、してないかだけの違いです。死のことを考えるよりも、「”偶然にも”生きている今、何をするか?」が常に問題なんですね。

時間を味方にするか?敵にするか?

時間を味方にする人は、時間と仲良しです。時間を非常に大切に扱います。

自分の持ち時間を大切にしているのはもちろんのこと、他人の時間を無駄に奪わないように細心の注意を払うでしょう。

目標を決め、それに向かって毎日1歩(1%でも良い)進むように自分を管理し、時間を大切にして生きるでしょう。

こういった「生活習慣」がある方は、年を重ねれば重ねるほど時間が味方になり、どんどん人生が生きやすくなっていくはずです。以前感じていた深刻な(その時にそう感じていた)悩みは、すごく小さいことのように感じ、笑ってしまうかもしれません。

ニシノ

生活習慣って”健康”だけの問題じゃないんだね。蓄積=生活習慣なんだね。

一方、「年を重ねると何も良いことがない。やりたいこともできなくなり、行きたいところにも行けない。おっさんおばちゃんになり、能力も低下して病気になる。」という世間の迷信を盲目的に信じている人にとっては、時間は敵でしかありません。そして、実際にその人が思っている通りになっていくでしょう。

いくら憎んでも絶対に逃れることができない強力無比な強敵と一緒に生きていくことになります。これだけでも”しんどい”ことが十分に想像されます。

さらに、時間を大切に扱わないため、お金よりも貴重な「人生最大最強の資本」である時間を浪費してしまう可能性が高い。

あなたは、なにを目指すのか?

では、限りある時間(=人生)を有効に使うためにはなにをすれば良いのか?

あなたは自分の人生で何を望むのか?どうなりたいのか?それをまず決める必要があるでしょう。

もし、今なくても全然構いません。そういった視点を持っているだけでも全然違います。

 

「時間術のセミナー」でもお伝えしたのですが、目標がなければ絶対に自分の持ち時間を最適化していくことができません。なにに時間を投下すれば良いのか?マネジメントのしようがないからです。

100%断言できますが、明確な目標がなければ確実にスマホゲームに没頭したり、テレビやYouTubeを見ているうちに老年期を迎えるでしょう。もちろん、それがしたいことであり、幸せであるなら何も問題はありません。

ただ、私が言いたいことは、「私たちは、死ぬ時に後悔しないように生きていく必要がある」ということです。

「家族ともっと時間を過ごせばよかった…」と思うかもしれないのであれば、そう思わないように今から必死で時間をマネジメントしていく必要があるということです。

 

全ての人が望む人生を送れるように、生活習慣を”蓄積”と捉え、日々少しだけ、ほんの少しだけ”種を撒く”習慣が身に付くと良いなと思っています。これは個人個人が絶対に自分自身でしか取り組めない課題です。

他人は全く、1㎜もあてになりません。それがきっと、自分の人生を生きるということなんでしょうね。

 

個人的な話ですが、私はそろそろ、人生の最終段階「健康」のフェーズに入ってきました笑。

今からジョギングを始めて、食生活を見直して、今後健康の悩みが大きくならないように先手を打っています。みなさんも一緒に頑張っていきましょう!