やってみよう

人生は、お金を稼ぐことでもなく、他人が羨む肩書きを持つことでもなく、理想の結婚相手を見つけることでもなく、”幸せになるために存在する”と思っている西野です。

今回は”やってみよう心”を高める考え方について書いていきたいと思います。行動できないと悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。

”やってみよう心”がなぜ大切か?

幸福度を高める4因子として、研究から、

  1. ありがとう因子(感謝)
  2. やってみよう因子(挑戦)
  3. あるがまま因子(自分らしく)
  4. なんとかなる因子(人事を尽くして天命を待つ気持ち)

があることが知られています。

やってみよう!と思える心の姿勢を持っている人は、いわゆる「前向きな気持ち」を持っています。前向きな気持ちは、人の幸福度を確実に高めます。

 

”やってみよう心”が欠けていると、

  • なにをやってもどうせ無駄
  • 下手なことをして荒波立てない方が良い

という考え方・生き方の姿勢になりがちです。(僕も過去にはそのような考え方でした…)

 

このような考え方だと、積極的に人生をドリフト(漂流)させることができません。

質問

ドリフト(漂流)?何言ってんのこの人?

そう、まさしく人生は”ドリフト”が超重要なんですね!

やってみよう因子が重要な訳

あなたの過去の人生を振り返ってみてください。

思い描いた通り、イメージ通り人生が進んできましたか?

 

おそらく、多くの人は「そうでもない」と答えると思います。

 

なぜなら、人生には「こうやれば確実にこうなる!」という明確なことはほとんど存在しないからです。資格を取ろうと思って専門学校に行き始めたけど、急に親に介護が必要になって断念した…みたいなことが当たり前に、私たちの周りに転がっていますよね。

そう、人生は思いもよらぬことが起きるのが当たり前なんですね。

 

過去の日本であれば、生まれた時から武士は武士、商人は商人であったし、生涯生まれた土地を離れることはほとんどなかったでしょう。ある程度は決まったパターンやレールがあり、それに沿った人生設計が当たり前でした。

現代は不確実で曖昧、複雑な世界

しかし、現代は、VUCA(ブーカ)と呼ばれるように、

  • Volatility(変動性・不安定さ)
  • Uncertainty(不確実性・不確定さ)
  • Complexity(複雑性)
  • Ambiguity(曖昧性・不明確さ)

不確実で曖昧、複雑そのものです。

インターネットが普及し、仮想現実の世界で支持を集めたりすることも当たり前で、転職も可能、個人が取れる選択肢が増え、より複雑になっています。

しかも、時代の流れが早く、「これをやれば正解だ」という方法が存在しません。

ご存知かもしれませんが、約50年前の日本では、

  • NTT株を保有していると、ほぼ必ず株価が上がる
  • 郵便貯金に定期預金をしていると金利が5%ほどある(現在でいうと、投資をかなり上手くやっている人がこれくらいの利益率です。)

というような、”確定的なこと”が確かに存在したのです。

 

まさに現代は、740年も前に記された「平家物語」で語られる、

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。

沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。

奢れる人も久からず、ただ春の夜の夢のごとし。

猛き者も遂にはほろびぬ、 偏ひとへに風の前の塵におなじ。

の特徴をさらに色濃くしているのではないでしょうか。

今、驚くべき業績を上げているグローバル企業は、昔の平家の時代よりも時代の流れが早いため、この言葉がより深く、胸に突き刺さることでしょう。

 

つまり、現代は確定的なことがないからこそ「やってみよう!」と色々チャレンジしていくこと(ドリフト)が大切なのです。

むしろ、そのやり方でしか、自分を確実に成長させていくことができません。

個人が頭で考える戦略なんて大した戦略ではない

どんなに賢い、たくさん知識を持っている人でも、個人の頭で考えた人生設計は脆くも崩れ去ります。

これが世の常です。

そんなに世の中は単純でもないし、ある出来事から偶発されて起きる予想外のことを個人が知ることはできないからです。

このことに対して、比較的分かりやすい説明では、仏教の”縁起(えんぎ)”があります。

縁起とは

仏教では全ての事象は”縁”から”起”こるとされています。

例えば、あなたがラーメンを食べたい!と思ったとします。これが人間が個人の頭で考える”人生戦略”と呼ばれるような範囲のことです。

しかし、これは実はあなたの意思ではなく、環境に偶発されていることです。

  1. ラーメンがある時代に生まれる
  2. ラーメンを過去に食べたことがある(ラーメンの存在を知っている)
  3. ラーメンを食べておいしいと思った経験がある
  4. ラーメンが今、食べられる環境にいる

簡単にいうと、最低でもこの4つの条件(偶然)が揃っているから、あなたは今、ラーメンが食べたい!と思った、と認識するのが正しい認識です。

人間は、自分の頭で考えたことが真実だと思いたい生き物です。

生物として地球上最高、トップレベルの、知性溢れる存在でいたいのです。

しかし、実際には、脳や体の構造を見ても、私たちはただ外界からの刺激に身体が反応する、虫や動物とそう大きく変わりません。

 

これはマーケティングや心理学や、スピリチュアル、分野関係なくいろんなところで言われていますが、人の行動はほとんどが無意識なんですね。

理屈や何かがあるとしたら、それはほとんどの場合が後付けです。行動してしまった後に理由を考えて、それらしく語っているに過ぎません。

やってみよう!でしか、人生を望む方向に変えることはできない

ここまでの話を前提として、キャリアの理論で「計画された偶発性理論」というものがあります。

スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が20世紀末に提案したキャリア理論です。

この理論では、偶発を計画することを推奨しています。

どういうことでしょうか?

 

つまり、この世のあらゆることの結果は予想ができないので、計画的に偶然を誘発していこう!ということです。

具体的には、クランボルツ教授は以下のような行動指針を持つことが大事だと指摘しています。

  • 「好奇心」 ―― たえず新しい学習の機会を模索し続けること
  • 「持続性」 ―― 失敗に屈せず、努力し続けること
  • 「楽観性」 ―― 新しい機会は必ず実現する、可能になるとポジティブに考えること
  • 「柔軟性」 ―― こだわりを捨て、信念、概念、態度、行動を変えること
  • 「冒険心」 ―― 結果が不確実でも、リスクを取って行動を起こすこと

 

はい、ここまで理解して頂ければ、自ずと私の言いたいことが伝わるかと思います。

やってみよう!と、たくさんの人や場所、仕事や出来事と出会っていくことで、キャリアだけでなく、人生が変わっていきます。

逆に、それ以外では大して変わりません。

頭でいくら考えても行動しければ意味がない!

という言葉を聞くことがあると思いますが、つまりはそういうことです

あの人と出会って人生が変わった!

というのも聞くことがあると思いますが、つまりはそういうことです。

 

幸福学視点で考えてみても、やってみよう心を持っている人は、前向きで幸福度が高く、楽観的であるとされており、クランボルツ教諭が言っていることと酷似しています。

 

仏教視点で言っても、「自ら積極的に新しい縁を作り出す」ということになるので、当然、縁の結果起こること、つまり縁起(結果)は変わってきますよね。

具体的に”やってみよう心”を活用する方法

上記の理由から、やってみよう!とすることで人生は変わっていきますが、具体的にどうすれば良いのでしょうか。

なんでもかんでもやってみよう!とするのは今の時代得策ではないでしょう。

あまりにもやることが増え過ぎてしまい、混乱することが容易に想像できます。

①自分の価値観を知る

私がオススメするのは、まず、自分が人生で大切にしたいものを決めるということです。

つまり、自分の価値観を知ることです。何に自分は価値を感じるのか?それをしっかりと考えた上で、その価値観に合うものにチャレンジしていくことがオススメです。この方法なら、ある程度スクリーニングすることができますよね。

②理想の人と仲良くなる

例えば、フリーランスになりたいのであれば、フリーランスの人に積極的にアポを取って、仲良くなります。

これは実際に、私も万策尽きたとき、もう何をしてもどうにもならないや…という時によく行う方法です。そして、結果的になんとかなってきています。

サラリーマンの人と仲良くしていると、いつもでもフリーランスにはなれません。これは間違いありません。よく自身の周りの人の年収を足して人数で割ると自分の年収になると言いますよね?

まさしくその通りです。

自分の中の当たり前(常識)をフリーランスにしてしまうことで、結果的にフリーランスになる、という縁起が得られます。いくら決意しても全く意味がありません。

自分の環境を変える努力が最優先です。

まとめ

今の時代はネットがあるので、簡単に理想の人を見つけ、DMを送ることができる素晴らしい環境が整っています。

なにか人生で行き詰まりを感じたら、頭でいくら考えても答えが出ないなら、ぜひ新しい理想の縁を自身に取り入れてみてください。

今まで出会わなかった人や場所、仕事と出会うことで、ワクワクする、想像も付かないことが起こります。