Communicationskill

人との繋がりはコミュニケーションを通して形成されます。人生の豊かさのほぼ全ては、人との繋がりからもたらされます。そのときに重要な要素となるのが「コミュニケーションスキル」です。

コミュニケーションの種類

コミュニケーンと聞くと、会話のことだと思う方もいるかもしれません。しかし、そうではありません。”コミュニケーション”とは、もっと広義の意味を指し、会話もそのうちの一つでしかありません。

コミュニケーションの本質とは「相互作用」です。

自分の伝えたいことを相手に伝える、あるいは相手の伝えたいことを受け取る、その行為自体を”コミュニケーション”と表現します。

 

コミュニケーションの種類には、大きく分けて2種類あり、言語を使うものとそれ以外に分かれます。

言語を使って会話するような場合は、

  • バーバル(言語)コミュニケーション

それ以外を

  • ノンバーバル(非言語)コミュニケーション

と言います。

例えば、下のダリの絵を見たとき、あなたは何か感じますか?

芸術や絵のことはわからないという人も多いと思いますが、何か必ず感じることがあるはずです。だって、かなり不思議な絵ですよね。

ダリ,溶ける時計
時計が溶けている・・・??

自分の伝えたいことを相手に伝える、あるいは相手の伝えたいことを受け取る。

その行為をコミュニケーションとするならば、あなたは、ダリの絵を見ている時、ダリと絵を通してコミュニケーションしている、ということになります。

このように、芸術家たちは、言葉にできない範囲のメッセージを、絵や音楽などの作品を通して伝えます。

その表現は、言語以外の表現(小説家はストーリーでメッセージを表現しています。)であり、人によっては人生を変えてしまうくらい大きなインパクトを与えるコミュニケーション手段となります。

私がこのように文章を書いて、それを読者の方に見てもらことも、立派なコミュニケーション手段だと私は思っています。

「話さない」というコミュニケーション

一般的に、コミュニケーションが上手な人とは、流暢に会話ができる、話せる人のことを指す場合が多いですが、実際は、話や会話、言葉に限定されるものではありません。

本当に「コミュニケーションの上手な人」とは、会話や言語に頼らずとも、対象者にふさわしい方法を選択し、適切に伝えたいことを伝えられる人のことを言います。

 

例えば、コミュニケーションスキルが高い人は、落ち込んでいる人の隣でそっと座って佇む、というコミュニケーションの方法を取ることもあります。

これは、何も言わずにそばにいてくれる、という「安心」を伝えています。言葉でいくら励ましの言葉を掛けても、心に届かない時もあります。

そんな時は、何も言わずに時間を一緒に過ごすこと、それこそが最適解かもしれませんよね。

 

また、人間の眼球には白目がありますが、これは狩猟時代、チームで狩りをしていた頃に目線で仲間に合図を送るのに都合が良かった、という説もあります。

私たちの先祖様は「どこを見ているか?」というコミュニケーションで意思疎通を行なった、ということですね。

このように、コミュニケーションを取るときに、隙間なく会話することだけが正解ではなく、話さないコミュニケーションだってあります。

コミュニケーションスキルを上げる方法

コミュニケーションスキルを上げると、より幸せになれます。

その方法を以下にご紹介します。

1、語彙力を付ける

読書

まず、言葉の表現として、語彙力をつけることが重要です。

小説や書籍を読み、出来るだけたくさんの言葉を知っておくと、より自分の頭の中のイメージを的確に表現する言葉を見つけやすくなります。コミュニケーションに限りませんが、人間は知らないものを認知することはできません。

”哀愁”という言葉を知らなければ、”哀愁”を感じることは絶対にありません。たくさんの言葉を知っているということは、それだけ表現の幅が広く、豊かになります。

また、自分の頭の中で考える思考も、実は言葉を積み上げて思考しています。言葉をたくさん知っていることで、より深く考えることもできるようになります。

2、表情や身振り、仕草を意識する

誰かと会話しているときに目が泳いでいると、それだけで話を信用してもらえなかったりします。言葉だけでなく、表情や視線、身振りや仕草も重要な表現をしていることを認識しておきましょう。

私の知り合いの社長さんは、他人の家でトイレを使った後は必ず「使う前以上に綺麗になるまで」掃除してからトイレを出るそうです。

そのあとにトイレに入った人は、一度で社長さんのその誠実さにびっくりして、話の上手い下手に関わらず信用したくなるのではないでしょうか。

話を聞くと誰にでもできそうな簡単なことですが、なかなかできることではありません。こういったところにその人の品格が現れます。

日本では、「お天道様が見ている」といって、誰もいないところでも誠実に行動することを良しとする文化があり、これは非常に良いものだと私は思います。

いつ何時、誰があなたを見ているかわかりません。常日頃から、誰に見られても恥ずかしくない振る舞いを心がけたいものです。

3、文脈に意識を向ける

私はこうしたい!と誰かが言っている場合、言葉をそのまま受け取るだけでは不十分な場合がよくあります。話の流れの中で、そのときはこう言ったが本心は違った、ということがあなたにもきっとあると思います。

大体、人は自分の感情や気持ちをうまく言葉に変換できないものです。

だから国語という日本人に日本語を教える教科があります。

会話で重要なのは、言葉そのものの意味だけでなく、文脈(話の流れ)を理解し、総合的なコミュニケーションだ、ということを理解すべきでしょう。

普段の生活で良くある話ですと、「勝手にしたら」と夫に妻が言っている場合、「あなたの言っていることに反対だけど、どうせ言っても聞かないから」というニュアンスが含まれることがよくあります。(笑)

4、対話している相手の個人的背景を考慮する

対話している相手の、

  • 生育歴
  • 国籍
  • 家族
  • 職業
  • 年齢
  • 性別

など、背景の個人因子によって、同じ言葉でも意味が異なったり、文脈が違ったりします。

できるだけ相手の会話以外の情報も汲みとるように配慮しつつ、会話しましょう。

生育歴

特に、私のリハビリの臨床での経験上、「生育歴」はすごく大切です。

どう感じるか?何を意識するか?などの基本的な感覚は幼少期に生成されます。

なので、幼少期にどんなことを楽しんでいたのか?どんなことを嫌がっていたのか?をじっくり聞くと、その人の感じ方や物事の考え方の根底となる要素が掴める場合があります。

5、大事なことは話してくれなくて当たり前

信頼関係を築くまで、その人にとって大事な話をしてくれないのは当たり前です。もし、その人の核となるような重要な話を聞きたいのなら、焦らず、気長に時間をかけて徐々に信頼関係を深めていくことが先決です。

企業が行なっている営業でも、ネットでのマーケティングでも、顧客とコミュニケーションを「繰り返す」という作業が必ず含まれます。

リハビリの現場でも、家族関係や病気のこと、家庭の金銭的な事情はあえて聞き出さないこともあります。初めは信頼してもらうことを最優先に考え、相手がその話をしてくれるまで待つという方法が有効な場合も多々あります。

徐々に距離を縮めていくことが信頼関係構築にとっては必須なのです。

焦ってしまうと逆効果になるので、時間を多めにとって、時にはムダ話もしながら信頼関係を築いていくことで、本当に大切な話ができる環境と関係性が整います。

まとめ

コミュニケーションとは何か、コミュ力を上げるためにどうすれば良いかについてご紹介しました。

 

少し話は変わりますが、「コミュニケーションの本質」を楽しみながら学べる映画があります。

キャスト・アウェイという映画をご存知でしょうか。

無人島に漂流した男性(俳優:トム・ハンクス)が、バレーボールに自分の血で顔を描き、名前を付け、会話をするシーンが頻繁に収録されています。

人は、いつだって、無人島のあらゆる不自由の中でも、まず”コミュニケーション”を必要とします。それほど人間にとってなくてはならないこと、重要なことがコミュニケーションなのです。

もし良ければ、ぜひ見てみてください。(2019年執筆時、Amazonプライムで無料で見れます。)