見栄

「お金を稼げば幸せになる」というのは間違いで、「お金をきちんと使えば幸せになれる」可能性が高くなります。では、どのようにお金を使えば良いのでしょうか?

お金は幸せになるための「道具(ツール)」

なんとなく「お金を稼げば幸せになれる!」と考えている人が多いようですが、実際は稼ぐことよりも使い方を熟慮すべきです。

とはいえ、明日の食べる物に困る生活では、とても幸福とはいえませんよね。

お金があれば衣食住にも困りにくく、より幸福を感じやすくなるでしょう。

また、行きたい所に自由に行けたり、必要な物をすぐに買えるようになり、人生の自由度が圧倒的に高くなります。お金がないからできない…という状態の不幸からは逃れることができるようになります。

 

しかし、何事もバランスが重要です。

稼ぐことに関しては誰でも考えますが、意外と稼いだ後のお金の使い方を考えている人は少ないのではないでしょうか。

ここで一度、お金の使い方について考えてみましょう。

「稼ぐこと」と「使うこと」は車輪の両輪

お金を稼ぐことだけを考えていても、幸せになることは難しいのが現実です。

「稼ぐこと」と「使うこと」は車の両輪です。宝くじが当たった人はほとんどが不幸になるという研究結果もあります。

 

お金を稼ぐと同時に、使い方のリテラシーを高めていかないと幸せにお金を持つことはできません。

お金と幸せとの関係性

年収はおよそ800万円程度以上は幸福度が上昇しないといわれています。

また、※自分にお金を使うよりも他人や社会のために使うと幸福度が上昇しやすいことが研究から明らかになっています。※参考)カナダのブリティッシュコロンビア大学(University of British Columbia)の研究結果:米科学誌サイエンス

つまり、年収800万円程度までは稼ぐことを考えて実行し、その後は「守り」、つまりお金の使い方をしっかりと学んで行く必要があります。

「モノ」ではなく、「経験」・「人」に「投資」すると幸福度が上昇する

お金の使い方として、

  • 「モノ」を買う…車など
  • 「経験」を買う…学校に通うなど
  • 「人」に使う…プレゼントを買う

というのもありますが、このうち「モノ」にばかりお金を使う傾向のある人は幸福度が低いといわれています。

家族で美味しいものを食べに行ったり(経験)、大切な人にプレゼントする(人)などをバランスよく行うことで、より幸福になるお金の使い方ができます。

仏教のお金の使い方「喜捨(托鉢:たくはつ)」

仏教では、喜捨(托鉢)という修行があり、仏教僧は、お茶碗(鉢)を持って物乞いに各家庭を回ります。これに関連して、お金の使い方を教えるブッダのエピソードがあります。

 

ブッダが弟子に「どんな所に托鉢に行っているのか?」と聞くと、弟子は「もちろんお金持ちの裕福な家です。」と答えました。

ブッダは「なぜか?」と聞きます。

弟子は「それは、もちろんお金や物を頂きやすいからです。」と答えます。

 

しかし、ブッダは「貧しい人の所に行きなさい。」と言いました。

貧しい人は、お金がないから貧しいのではない。

普段から自分は他人にあげるほど十分に物を持っていないと思っている。思い込んでいる。

よって、人に与えることをしないから貧しいのである。

あなたは一生懸命、貧しい人に托鉢をして、貧しさから解放してあげなさい。

喜んで「人に与える幸せ」を教えてあげなさい。

仏教は約2500年前の教えですが、現代の科学で解明されたばかりのことがすでに簡潔に説明されていて驚くばかりです。

「他人にお金を分け与えること」。そこにどうやら幸福の秘密があるようです。

お金の使い方で最低限理解しておくべきこと

投資・消費・浪費を理解する

お金の使い方の基本として、

  1. 投資
  2. 消費
  3. 浪費

を理解しておくことが重要です。

これらの3つは個人の好みや趣味嗜好によって意味合いが異なってくるので、「自分にとっての」投資、浪費、消費を理解しておくと良いでしょう。

 

浪費と消費を出来るだけ減らし、投資にたくさんお金を回していくことが賢いお金の使い方になります。

1、投資

将来なんらかのリターンが得られるモノにお金を使うことです。

株や証券、FX、投資信託だけでなく、

  • 本を買って勉強する
  • 授業料を払って学校に通う
  • 社会を良くする活動に寄付する

なども将来に向けた投資になります。

2、消費

トイレットペーパーなどの日常品を買ったり、生活に必要なモノを購入したり、維持するために必要なモノにお金を使うことです。

これはある程度掛かっても仕方ありませんが、工夫することで減らすことも可能です。

3、浪費

その時の気分でお金を使うことです。

衝動買いや洋服、見栄を張るために買う高級車などです。

自分はあまりオシャレに興味がないけど、周りの人に流されて服を買うというような行為は浪費になります。

しかし、アパレル関係の仕事をしている人や、ファッションアドバイザー、モデルなどが勉強のために洋服を購入する場合は投資になりますね。

※)投資・消費・浪費の考え方は、有名なベストセラー「金持ち父さん、貧乏父さん」で詳しく紹介されています。

時間を短縮するためにお金を使う

時間はお金よりも貴重なものです。命=時間です。

なぜなら、時間は二度と戻ってきませんが、お金は失ってもまた稼ぐことができます。

時間を短縮するためにお金を使うのも良いお金の使い方です。

 

お金持ちは、必ず自身の時給を把握しています。

一般的な正社員であれば、大体1時間に2000円程度の時給で働いています。

一般的な正社員の人が1時間の時間を買うために、1000円払うのであれば、それは2000(時給)ー1000(コスト)=1000円得をしたことになります。

歩いていくところをタクシーを使うことで時間短縮する場合なども、賢いお金の使い方と言えるでしょう。

 

自由な時間を得るためにお金を払うことは、非常に良いお金の使い方だと思います。

事業を自ら行なっている社長や事業主は、自分でできないことや、習熟度が低いため時間が掛かり過ぎることは、お金を払ってでも誰かにやってもらおうと考えます。

しかし、サラリーマンや私たちのような労働集約型の仕事(医療介護系)をしている人はそういった発想が比較的少なく、全て自分でやってしまおうと考えてしまいがちです。

賢くお金を使い、豊かな人生を送れるように考えましょう。

”見栄”は一番高く付く

見栄

事業をしていない人が高級車を購入したり、高級な洋服を見栄のために購入することは出来るだけ避けるべきです。

男の子

物欲は満たされることがない。追い求めるのはやめよう。

高級ブランド品は確かに素材やモノ自体も良いですが、かといってカバンや財布、時計に何10万円も払うほどの価値はありません。

ブランド品はブランドイメージを保つために、高額なお金を使って広告費としてCMを流していします。

その広告費が商品に上乗せされているために高額になっている場合がほとんどです。

ブランド品を購入するということは、企業のPRのために広告費を肩代わりして払っているようなものです。

そのブランドが心から好き、あるいは多少お金を払ってもその企業を応援したいと思わないのであれば、ブランド品ではなく、普通の値段の商品で十分だと思います。

 

事業主が高級車などを買うのは、経費として計上して税金対策を行い、さらに、事業が傾いたときに売却して経費を補填するためです。上手く使えば”資産”になるため、”投資”として高級車を購入しています。

一方、被雇用者(いわゆるサラリーマン)が高級車を購入してもほとんどメリットがなく、ローンの支払いに追われるだけで”浪費”になる可能性が高いです。

よっぽど車が好きで、そのために他のたくさんのことを我慢しても幸せだと思える人は購入しても良いと思います。

 

とにかく見栄は高く付く”金食い虫”なので、早々に”他者比較の世界”から抜け出しましょう。自分の幸せは自分で決めるべきです。