
障害がある方は、障害者手帳を持っておくと大変便利です。
障害者手帳の種類は大きく分けて3種類です。福祉制度は基本的に自身で申請しないと受給することが出来ません。
障害者手帳の種類を、厚生労働省のホームページ(身体障害者 障害程度等級表の解説(身体障害認定基準)について)で調べると膨大な数の文字の羅列が続きます。

国の資料は難しくてよく分からない!
私自身、読んでみても難解で理解が難しく、結局、地域の市役所の障害福祉課に電話し、障害者手帳の申請が可能かどうか聞いてみるのが一番早いのでは?と思いました。

定期的に病院に通っている方は、主治医の先生に相談してみるのも良いと思います。
しかし、それ以外の場合で障害者手帳の種類を確認したい場合、この記事にさっと目を通して頂ければ概要が掴めかと思います。ソース(情報源)厚生労働省のホームページです。
国の難解な文章を管理者なりに噛み砕いて、出来るだけ分かりやすく記載しています。
障害者手帳の種類
厚生労働省のホームページによると、障害者手帳の種類は、大きく分けて3種類あります。
- 身体障害者手帳
- 精神障害者手帳
- 療養手帳
です。
以下、それぞれについて詳しく説明していきます。
①身体障害者手帳
その名の通り、身体に障害がある方が申請できる手帳です。
身体障害者手帳が発行される障害は、
- 視覚障害
- 聴覚障害(平衡機能障害)
- 口の障害(音声、言語機能、咀嚼機能)
- 体幹機能障害
- 上肢機能障害
- 下肢機能障害
- 心臓機能障害
- じん臓機能障害
- 呼吸機能障害
- ぼうこう又は直腸の機能障害
- 小腸機能障害
- 肝臓機能障害
- 乳幼児期以前の脳病変による運動機能障害(上肢機能)
- 乳幼児期以前の脳病変による運動機能障害(移動機能)
- ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能障害
になります。

全部で15項目がありますが、
- 顔(目・口・耳)
- 体(+手足)
- 内臓(心臓、じん臓、呼吸器、膀胱、直腸、小腸、肝臓)
- 生前の脳機能障害
- エイズ
と整理して理解しておくと頭に入りやすいです。
各障害ごとに6級の等級がある
各障害毎に1〜6級までの等級があり、数字が低くなるほど障害が重症となります。また、障害が各項目に2つ以上ある場合も勘案されます。(体幹機能障害+上肢機能障害など)
②精神障害者 保険福祉手帳
こころの障害がある方の手帳の正式な名称は、『精神障害者 保険福祉手帳』になります。
内閣府の発表では、精神障害者の数はここ最近、年々増加しています。こころの障害の世間的な認知が進んできていると言われています。
判定の順番
精神障害者保険福祉手帳の交付基準の判定において、
- 精神疾患の存在の確認
- 精神疾患(機能障害)の状態の確認
- 能力障害(活動制限)の状態の確認
- 精神障害の程度の総合判定
という順を追って行わます。詳細を以下に解説していきます。
精神疾患の存在の確認(3等級)
精神障害者保険福祉手帳は3等級に分かれます。(情報源:厚生労働省 精神障害者保健福祉手帳の判定基準及び診断書)
概要は以下になります。
- 1級
精神障害であって日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの(精神疾患のため、長期の入院、施設で生活せざるをえない状態の方など)
- 2級
精神障害であって日常生活が著しい制限を受けるか、または制限を加えることを必要とする程度のもの
- 3級
精神障害であって日常生活もしくは社会生活が制限を受けるか、もしくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの
これを診断していく具体的な基準として、以下の内容が定められています。
精神障害の状態の確認・能力障害の状態の確認
以下、厚生労働省の「手帳制度及び就労支援に関する資料」より抜粋です。
精神疾患(機能障害)の状態
- 統合失調症によるものにあっては 、高度の残遺状態又は高度の病状が あるため、高度の人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験 があるもの
- 気分(感情)障害によるものにあ っては、高度の気分、意欲・行動及び思考の障害の病相期があり、かつ 、これらが持続したり、ひんぱんに繰り返したりするもの
- 非定型精神病によるものにあっては、残遺状態又は病状が前記1、2 に準ずるもの
- てんかんによるものにあっては、 ひんぱんに繰り返す発作又は知能障害その他の精神神経症状が高度であ るもの
- 中毒精神病によるものにあっては 、認知症その他の精神神経症状が高 度のもの
- 器質性精神障害によるものにあっ ては、記憶障害、遂行機能障害、注 意障害、社会的行動障害のいずれかがあり、そのうちひとつ以上が高度 のもの
- 発達障害によるものにあっては、 その主症状とその他の精神神経症状 が高度のもの
- その他の精神疾患によるものにあ っては、上記の1~7に準ずるもの
能力障害(活動制限)の状態
- 調和のとれた適切な食事摂取が できない。
- 洗面、入浴、更衣、清掃等の身辺の清潔保持ができない。
- 金銭管理能力がなく、計画的で適切な買物ができない。
- 通院・服薬を必要とするが、規 則的に行うことができない。
- 家族や知人・近隣等と適切な意思伝達ができない。協調的な対人関係を作れない。
- 身辺の安全を保持したり、危機的状況に適切に対応できない。
- 社会的手続をしたり、一般の公共施設を利用することができな い。
- 社会情勢や趣味・娯楽に関心がなく、文化的社会的活動に参加で きない。 (上記1~8のうちいくつかに該当するもの)
総合判定
上述のことを考慮して、総合判定がなされます。では、総合判定はどのように検討されるのでしょうか?
管理人は本業で理学療法士をしており、介護保険制度や医療保険制度に深く関わっていますが、それらの制度においての診断基準はADLにあります。障害福祉サービスにおいても、同じ基準が軸にあります。
ADLとは、Activity of Daily Living、日本語では日常生活動作の略称で、
- 起居動作
- 移乗
- 移動
- 食事
- 更衣排泄
- 入浴
- 整容
動作のことを指します。(これに加えて金銭管理も重要な項目です。)
精神疾患により、これらの生活場面において何らかの支障がある場合に、支援が必要だと判断されます。
結局どうすれば良いの?
精神障害者保険福祉手帳の交付は、その疾患の特徴から、他の手帳の交付基準のように明確で分かりやすいものではありません。よって、どうすれば良いのか迷ってしまいこともあると思います。
- 統合失調症
- 気分(感情)障害
- 非定型精神病
- てんかん
- 中毒精神病
- 器質性精神障害
- 発達障害によるもの
- その他
の疾患により社会生活に不便を感じている方は、まずは医療機関で診断を受け、そのあとに最寄りの市役所の障害福祉課に相談することをお勧めします。

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③療育手帳
- 児童相談所
- 知的障害者更生相談所
- 保険福祉センター
などで知的障害であると診断された場合(IQ70未満)療育手帳が交付されます。

IQ100が平均的とされているよ
療育手帳は障害があることが外から見て分かりにくようにするため、市区町村によっては、”愛の手帳”、”みどりの手帳”などと呼び名が異なります。

療育手帳は障害者手帳の中で唯一、各都道府県ごとに判定基準が異なるよ!市区町村をまたいで引っ越しをした場合は改めて取得する必要があるよ 。
療育手帳は上の2種類の障害手帳と少し異なり、厚生労働省の等級および基準と、各地方自治体の等級および基準が若干異なります。(すごくややこしい‥統一して欲しいものです。)
厚生労働省の等級と基準
厚生労働省の等級では、
- 重度(A)
- 重度以外のもの(B)
の2等級に別れます。
重度(A)とは
⒈知能指数(IQ)がおおむね35以下であって次のいずれかに該当するもの。
- 食事、着脱衣、排便、洗面など日常生活の介助を必要とする。
- 異食、興奮などの問題行動が見られる。
⒉知能指数がおおむね50以下であって、盲、ろうあ、肢体不自由を有するもの。
重度以外のもの(B)とは
上記以外のもの
都道府県レベルでの等級と基準
都道府県レベルでの等級では、
- 等級A(重度)
- 等級B1(中度)
- 等級B2(軽度)
の3等級に別れます。(詳細は各地方自治体によって異なります。)
等級A(重度)
IQ35未満…日常生活全般に常時の援助が必要
等級B1(中度)
IQ50未満…日常生活に援助が必要
等級B2(軽度)
IQ70未満…日常生活は可能
まとめ
障害者手帳の種類3つについてご紹介しました。障害者手帳には、
- 身体障害者手帳
- 精神障害者 保険福祉手帳
- 療育手帳(知的障害)
があり、
それぞれ、
- 体の障害
- こころの障害
- 知的障害
がある方が交付を受けることができます。
手帳の交付を受けて、受けられる福祉サービス、減免措置などは各地方自治体によって異なります。詳細は最寄りの市役所にお問い合わせ下さい。
障害者手帳は自ら申請して受けられる福祉サービスですので、対象の方は、ネットで調べたり、電話で問い合わせたりしてぜひ申請をしておきましょう。