
障害者はどのくらい働いて(勤めて)離職しているのでしょうか。また、その主な離職理由はどんなものでしょうか?
厚生労働省が5年に1度実施している「障害者雇用実態調査」があります。
障害者雇用実態調査について
私がこのサイトの記事を書く際、逐一チェックしているのが厚生労働省のホームページです。
障害者の雇用の状況から、現在、国の方針によりどんな法整備を進めているのか確認できるので、これからの障害者を取り巻く雇用環境の展望もある程度推測することができます。(個人的見解としては、明らかに、これからの時代はもっと障害者にとって就労しやすい状況になっていくはずです。)
また、国が発表していることなので、リソース(情報源)としても、もちろん信憑性が高いです。
今回の記事は、厚生労働省の「障害者雇用実態調査」を元に作成しています。
この調査は、主要産業の民営事業所の事業主に対し、雇用している、身体障害者、知的障害者、精神障害者及び発達障害者の雇用者数等を調査し、今後の障害者の雇用施策の検討及び立案に資することを目的として実施しているものです。「厚生労働省HPより抜粋」
主な調査項目は以下の通りです。
○ 主な調査項目
(ア)事業所に関する事項
(イ)身体障害者、知的障害者、精神障害者及び発達障害者の雇用状況
(ウ)関係機関との連携について
(エ)関係機関への期待について
(オ)雇用上の課題等について
(カ)雇用上の配慮について
(キ)採用後に障害者となった従業員に関する配慮について
(ク)今後の障害者の雇用方針について
○ 調査対象
日本標準産業分類による、農業,林業、漁業、鉱業・採石業・砂利採取業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、運輸業,郵便業、卸売業,小売業、金融業,保険業、不動産業,物品賃貸業、学術研究,専門・技術サービス業、宿泊業,飲食サービス業(バー、キャバレー、ナイトクラブを除く。) 、生活関連サービス業,娯楽業(生活関連サービス業のうち家事サービス業を除く。)、教育,学習支援業、医療,福祉、複合サービス事業、サービス業(他に分類されないもの)〈外国公務を除く。〉に属する、常用労働者を5人以上雇用している民営事業所で産業及び事業所規模別に一定の方法で抽出した約9,400事業所。「厚生労働省HPより抜粋」
障害者の雇用環境を整えるためには、まずは現状把握から行わなければなりません。そのためにこういった調査を行なっているのは素晴らしいことだと思います。また、5年毎に調査を行い、変化を追う仕組みになっているので、今後改善すべき点が明らかになってくると思います。
障害者の離職理由
さて、本題に入ります。
厚生労働省の資料によると、障害者の離職理由は、
- 身体障害者
- 知的障害者
- 精神障害者
の3つの区分で離職理由の調査が行われています。以下にそれぞれ説明していきます。
身体障害者の離職理由

転職経験者の現在の勤め先に転職する直前の職場を離職した理由については、 「個人的理由」が 61.3%と最も多くなっています。これは健常者も同じですね。
その主な理由としては、
- 「賃金、労働条件に不満」が 32.0%と最も多く、
- 次いで「職場の雰囲気・人間関係」が 29.4%
- 「仕事内容が合わない」が24.8%
実は、「会社の配慮が不十分」が20.5%で4番目となっています。意外と会社側の配慮の問題で離職した人は少ないようです。
知的障害者
では知的障害者の場合はどうでしょうか?残念ながら、これに関しては障害者雇用実態調査に記述がありません。
精神障害者

精神障害者の場合、転職経験者の現在の勤め先に転職する直前の職場を離職した理由は、 「個人的理由」が 56.5%と最も多くなっています。これは精神障害者だけでなく、身体障害者でも同じです。
その主な理由としては、
- 「職場の雰囲気・人 間関係」が 33.8%と最も多く、
- 次いで「賃金、労働条件に不満」(29.7%)
- 「疲 れやすく体力、意欲が続かなかった」・「仕事内容が合わない(自分に向かない)」 (28.4%)
が多くなっています。
まとめ
健常者の場合も、離職理由として、いくら給料が良かったり、雇用条件が良い職場でも、職場での人間関係が上手くいかないと長続きしません。
障害者の場合もほとんど同じで、身体・精神障害者共に「賃金と労働条件に不満」、「職場の雰囲気・人間関係」がおおよそ30%前後を占め、主な離職理由となっています。
障害によって辞める理由も一概には言えないようですが、適切な情報を得て、職場が自分に合っているとかどうか検討していく必要があります。
改正障害者雇用促進法施行により、今後、障害者にとってより良い雇用環境になっていくことを期待します。