スピリチュアル

スピリチュアルやポジティブ・シンキングを信じる人が増えています。しかし、本当にそれらは信じて実践すれば幸せになれるのでしょうか?

スピリチュアルって信じて良いの?!

小説家の村上龍さんは、「希望の国のエクソダス」のなかで、日本の現状を「何でもあるけど、希望だけながない国」と表現しました。

実際のところ、世界規模でみて、日本は経済的・物質的に恵まれているにもかかわらず、精神面では不安や心配事が一杯で悩んでいる方もたくさんいます。

それに伴い、心理学やスピリチュアル、ポジティブシンキング(物事を前向きに捉える考え方)などが注目されるようになってきています。

しかし、実際のところ、スピリチュアルやポジティブ・シンキングを学ぶだけではなかなか幸せになることが難しいようです。

いきなり結論「嘘かどうかわからない」

私自身もスピリチュアルについて興味本位で勉強した時期もありました。

死後の世界のことは誰にも分かりません。なので、スピリチュアルが嘘かどうか分かりようがないというのが結論です。

スピリチュアルのデメリット

しかし、確実にスピリチュアルを信じているとデメリットになることはあります。

スピリチュアルの基本的な考え方は、「気の向くまま、生きたいように生きればうまくいく。それが人生である」ということです。

  • 人生を天に任せる
  • やるべきことはあなたの魂が知っている

という考え方・生き方です。

 

しかし、この考え方だと、我慢をするとか、忍耐強く何かをやり遂げるという気持ちがなかなか生まれにくいです。

ポジティブシンキングや引き寄せの法則なども、現状の自分よりも、より良い理想の自分を頭の中にイメージし、その姿に「すでに自分がなっている」と仮定して日々を過ごします。

しかし、それではどうしても行動する意欲が少なくなってしまいます。

なぜでしょうか?

人は”嫌なこと”を避けるときに最も力を発揮する

人は明るい未来に向かって進むよりも、不安に思う嫌なことを避けようとする方が行動力が何倍にも増します。

これは行動経済学で「プロスペクト理論」と呼ばれています。

プロスペクト理論とは、不確実性下における意思決定モデルの一つ。

(一部引用)Wikipedia

生物界の動物を見れば分かると思います。

肉食獣に食べられそうになっているシマウマは、必死で逃げようとします。いわゆる「火事場の馬鹿力」といわれる力を発揮し、嫌な現実から脱出しようともがきます。

本能は現状を維持を望む

スピリチュアル

自分の人生を大きく変えるためには、この「火事場の馬鹿力」なみの爆発的な力が必要です。

そもそも、自分の人生が行き詰まったように感じ、変えたい!と感じるのは、現状維持が最上という生物の基本戦略に不満があるからです。

生物はホメオスタシス(恒常性維持)といって、基本的に生命が維持できている現状の環境を守ろうとする働き・本能があります。

普段は、「変化はリスクであり、できれば避けたいもの」というのが生物の基本的な本能の認識です。なので、変化しようとしたときに、「怖い」と感じるように生物は作られているのです。

 

スピリチュアル、引き寄せの法則やポジティブシンキングでいくら自己像を良いものにしても、なかなか自分を変化させていけないのはそのためです。

変化したいときはスピリチュアルよりも「戦略的なPDCAサイクル」

現状維持で良いのなら、今を楽しく生きるためにこれらの法則を利用して、心の安定・平穏を保つ事はできると思います。

しかし、自身がいる現状を不満に思っており「どうしても変えたい」と強く願うのであれば、これらの法則から一旦離れ、

  1. 自身の現状を客観的に把握・分析…何を変えたいのか明確にする
  2. 期間・目標設定…いつまでにどうなりたいのか決める。
  3. 目標の細分化(スモールステップ)…目標は大き過ぎる場合が多いので、出来るだけ細分化する。
  4. 達成に向けての戦略・戦術の立案・どういった分野で(戦略)でどういった行いをするのか(戦術)
  5. 実行…期間も決める
  6. 達成度の評価

PDCAを実行していく必要があります。

上述しましたが、あくまで感覚に頼っていると、変化は敵だ!と認識してしまいます。

本能的にどうしてもやりたくない気持ちになってしまうので、理論・理屈で上のように作戦を立てて実行していくと、自分を変えていける可能性が高くなると、自身の経験からも思います。

コツ:「作業興奮」を利用しよう

上のような作戦を立てたら、目標に沿って計画を実行していきましょう。実行しなければ永久に現実を変えることはできません。

その際は、作業興奮を利用するとスムーズに計画が実行できます。

作業興奮とは、心理学者のクレペリンが発見した効果で、人は「やればやるほどやる気が出る」という法則です。

やる気が出てくるを待っていてもいつになるか分からないので、とりあえずやってみる!という姿勢で計画をスタートすれば、その作業に熱中し始めます。これが作業興奮です。

 

私自身もライター業やブログ、サイト運営を複数行っていますが、とりあえず何も考えずに記事を書き始めることで、筆が進み、モチベーションを維持しています。

どうしようかな?記事書こうかな?と迷う時間があるならば、とにかく手を動かすことです。

スピリチュアル系を盲信し過ぎない

幸せとはなにか?あらゆる観点から説明の記事に書いた通り、幸せには様々な形があります。

  1. 現状維持の幸福
  2. 変化した上で目指すべき幸福

1の現状に満足して幸せに生きることを目指すのであれば、スピリチュアルなどの現状維持系の論理を信じるのも良いと思います。

一方で、今の自分と周りの環境を変えたい!と願うのであれば、それだけに頼っていては難しいのではないでしょうか。

 

私がオススメするのは、スピリチュアルなどの知識も持ちつつ、変化が必要なときには、それをあえて捨てることができるという柔軟な考え方です。

囚われ過ぎない、ということが肝心で本質であり、スピリチュアル系の考え方も使い方次第だと思います。

人生は一生現状維持で良い訳でもなければ、変化し続けなければならない訳でもありません。

現状維持モードと変化モードを両方適切な時期に切り替えられるのが理想ですよね。

ツールは上手く活用する

スピリチュアルも、全ては幸せな人生を生きるための道具(ツール)にしか過ぎません。

これからは人生100年時代です。焦ることはありません。

柔軟に思考し、スピリチュアルも取り入れながら自分を励まし、理想の未来に向かって1日1歩ずつ、理想の未来に向かって少しでも前進していきましょう。