
「なんとなく不安…」と漠然とした不安を持つことはありませんか?
しかし、それは生物として当然のことです。何も特別なことではなく、自然なことであり、悪いことではありません。
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感情を理解しよう
幸せに生きるためのコツとして「感情に振り回されないこと」が重要です。
感情とは何か?を理解することで、感情に振り回されることが少なくなります。
感情に振り回されると、人間関係を築くことができなかったり、仕事や収入にも大きな影響を及ぼします。
しかし、逆に感情をうまく活用すれば、人生を望む方向に変えうる大きな原動力・パワーになります。
感情を理解するためには、「プルチック感情の輪」という概念を理解すると良いと思います。
プルチック感情の輪(Wheel of Emotion)
1980年代に、プルチック氏が人間の感情を円環にして表現した「プルチック感情の輪」。
喜怒哀楽の感情は「グラデーション(濃淡)」であるとし、3原色(黄色、赤、青)の混ざる割合で8つの感情(喜び、信頼、恐怖、驚き、悲しみ、嫌悪、怒り、期待)を表しています。
感情がグラデーションであり、様々な感情が混ざり合って存在する、というのは私たちの肌感覚としても納得できるところですね。
人間の8つの感情
プルチック感情の輪では、人間の基本的な感情を8つに分類しています。
- 喜び
- 信頼
- 恐怖
- 驚き
- 悲しみ
- 嫌悪
- 怒り
- 期待
です。
- 信頼とは「安心する気持ち」
- 期待とは「思う通りになると期待する気持ち」
のことです。
日常生活で人が感じる感情は、このうちどれかに当てはまります。
感情には「強弱」がある
「恐れ」の感情の場合、恐れの感情を中間として、弱くなると「不安」になり、強くなると「恐怖」になります。
- 不安<恐れ<恐怖
と、より強い感情を表現する時、色は濃く、弱い感情では薄くなります。
感情には「対」になるものがある
図のように、喜びと悲しみは「対」の関係性にあり、喜びを感じている状態では、悲しみを感じることはできません。
これも自身の普段の感情の移ろいを考えると、すごく腑に落ちますよね。
感情は混ざり合う
プルチック感情の輪のすごいところは、人間の感情を「混ざり合うこと」を前提に表現していることです。
プルチック氏の考えでは、上の8つの感情を純粋感情として「一次感情」と呼び、他と混ざり表出する感情を「二次感情」といいます。
一次感情に隣接する感情が混ざりあった感情も存在します。
普段の生活を思い返してみるとわかりますが、人が「悲しい」と思う時、そのまま純粋に「悲しい」と思っていることは稀です。
「嫌悪の感情」が混ざっていたり、「驚きの感情」が混ざっていたりします。
「悲しみ」と「嫌悪」が混ざると「後悔」という感情になり、「悲しみ」と「驚き」が混ざると「拒絶」という感情になります。
感情はネガティブな感情がほとんど
上述の8つある感情のうち、ポジティブな感情として社会的に認知されているものは、2つだけです。
- 喜び
- 信頼
です。
他の6つの感情は全てネガティブなものとして社会的に表出しにくい感情ばかりです。
社会的に「良い人でいよう」と思うと、20%ほどしか自分を出すことができません。
息苦しくなるのも無理はありませんよね。
不安になるのは”生きるため”
しかし、人間の感情はこれらのネガティブなものをベースに進化・発達してきました。
なぜかというと、不安になり、警戒することで敵に備え、生き永らえてこれたからです。怒り、敵と戦うことで敵を打ち負かし、嫌悪することで危険から離れる必要がありました。
楽観的で何も不安に思わない人は、危険を避けることができず生き残ってこれなかったのです。
- 恐怖
- 驚き
- 悲しみ
- 嫌悪
- 怒り
- 期待
これらの感情は、生物として生きるために人間が発達させてきた、根源的で重要な感情なのです。
もしあなたが、不安や怒りを抱きやすいのであれば、それは自分の本能が必死に「生きようとしている証拠」です。
否定することはありません。自分の感情を受け入れて認めてあげてください。

不安や恐怖を感じるのは、本能が生きようと頑張っている証拠なんだ
「人はネガティブな感情に反応しやすいこと」を知っておこう
上述のように、ネガティブな感情は生物の生存本能と密接に関係しています。
人はネガティブな報道や悪口、噂に本能的に興味を示します。「知っておかなければならない」と無意識に本能的に感じるのです。
なので、メディアやテレビでは、凶悪で一般人が不安になるような事故や事件を頻繁に取り上げます。
本能的に視聴率が取れる内容を理解しているのだろうと思います。テレビはスポンサーの広告(CM)をたくさんの人に見てもらわなければなりません。
ネットの記事でも「不安を煽る」などと非難されるような内容のものをよく見かけますが、それは当然のことで、明らかにその方が読者の反応が良いでしょう。
逆に、「喜び」や「信頼」をテーマにした内容の番組を報道をすれば、全視聴者の感情の2割程度しか揺さぶることができず、あまり見る人は多くないだろうと想像できます。
以前、テレビやメディアを積極的に見ないことが幸せに繋がると書きました。
適度に距離を取って、テレビやメディアを信じすぎない、のめり込みすぎないことが幸せに生きるために重要です。
まとめ

人は、本能的にネガティブな情報に惹きつけられます。
もちろん私たちも例外ではありません。それを知っておくことで必要以上に不安にならず、適度にそれらを煽る情報と心理的に距離を起き、心を平穏に生活を送ることができます。
本来、不安や怒りというのは、敵を打ち負かし、現状を変えるために活用するための「前向きな感情」です。
これらの感情のおかげで人間は生き残ることができたと言っても過言ではありません。
弱肉強食の物理的な食物連鎖の世界から自由になり、社会的生物として生きる現代の人間は、不安や怒りを「物理的に」何かの敵にぶつけるだけでは決して良い結果を産みません。
極端にいえば、殺人や犯罪を犯して社会生活から排除されてしまうことになるかもしれません。
もし、あなたが不安や怒りを感じるなら、それを原動力として”望まない現状を変えるために”奮闘しましよう。
自分に負の感情を抱かせる環境や現状を敵として認識し、一歩一歩、着実に自分を望む社会環境に置くために努力を重ねるべきでしょう。