苦労した先に成功があるは本当か

「苦労した先に成功がある」と主張する人がいますが、恐らく思い込みではないかと思います。

質問

苦労して、血の滲むような努力をしないと誰にも勝てないよ!努力もせず成功しようなんて甘えだね。ふざけるな!って感じだよ。

ニシノ

本当にそうでしょうか?ポジティブ心理学の研究では、幸福な人は創造性が3倍、生産性が1.3倍になると言われています。肌感としても鬱々と辛いことを続けるよりも、楽しんでいた方が夢中で長い間ずっと頑張れますよね。成果が出やすいのはどちらでしょうか。

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「聞く」不道徳幸福論

人はなぜ苦労した先に成功があると思い込むのか?

  • その他大勢から抜け出すためには人並みの努力ではだめだ
  • 努力は辛いものだ

という考え方もあると思います。一見、確かに…と思いますよね。

しかし、才能についてデータを元に書かれている書籍「ストレングスファインダー」には、無意識で行ってしまうこと=才能であるとされています。

本当に才能があることをしているとき、人はきっと辛いとは思わないはずです。努力しているとすら思っていないかもしれません。

他人から見たときに辛そう…と思うことでも、本人にとっては「フロー(没入状態)」で楽しんでいるかもしれませんよね。

また、私たちが生きる現代は資本主義社会であり、資本主義社会はいわば「交換」を前提とした社会と言い換えることもできます。

私たちは「なにかを得るには、なにかを差し出さなければならない」と無意識下に刷り込まれている可能性もあります。

しかし、「苦労と成功が交換できる」と考える(or感じる)のは、少し安易過ぎるのではないかと思います。

市場は交換を前提としていますが、もっと広義の世界は単純な交換の世界ではなく、複雑系でできています。

複雑系とは、1つの要素が全体に影響を及ぼすような世界のことで、世界経済が代表的なものです。経済は、例えばトランプ氏の発言一つで大きな影響があるため、いくら経済の評論家・専門家が考えても予想通りには進みません。(今回のコロナショックもそうですよね。)

「苦労しないと成功しない」のではなく、「苦労したところで成功するかは分からない」というのが真実だと思います。

実際、間違いなく、運とタイミングの要素を抜きにして成功を語ることはできません。

なら、苦労は関係あるのかな?と私は思うのです。

これからは”楽しんだ人が成功する社会”になる

私は、これからは楽しんだ人が成功する社会になると思います。

なぜかというと、苦労して何かを行っている時、人間は軽い抑うつ状態になっています。

「嫌だなぁ…でもやらないと…」でやり続ける努力は、積極的に創意工夫することが難しく、こなすだけで精一杯です。機械的にコツコツと同じようなことを続けることになります。

しかし、現代は社会の変化が昔よりも断然早いので、コツコツと同じことを続けているうちに周りの景色が変わってしまいます。そして、その努力はどんどん場違い・見当違いなものになっていく…。

結果、いつまでたっても成功しないので、「ただ、常に不機嫌な人」になります。

あなたの周りにもこんな人が溢れていませんか?これこそがまさしく「成功は苦労で作られる論の負の遺産」です。

本当は、成功に苦労は大して関係ないのです

 

一方で楽しんで自分の仕事に取り組む人は、積極的に新しいことにチャレンジし、創意工夫し、何時間も熱中して作業に取り組みます。何か問題があり、逆境に遭遇してもそれを乗り越える力があります。

幸福度が高い人は、創造性が3倍、生産性が1.3倍になるとする報告もあります。明らかに、同じ作業をもくもくと続けるよりも良い結果が出やすいのではないかと思います。

子供たちにどんな社会を残したいか?

私たちが今、どんな社会を形成するのか?によって後世を生きる子供たちに大きな影響があります。

「苦労して頑張れ、そして成功しろ」というメッセージを伝えて子供たちを育てる方が良いのか、それとも「好きなことを楽しんで続けなさい」というメッセージを伝えるのがよいのか…

どちらだと思いますか?

私は後者を強く支持します。

数年前に「好きなことで生きていく」というキャッチコピーをYouTubeが掲げ、大炎上しました。「好きなことで飯が食えるほど世の中甘くない。社会を舐めるな!」というような意見が多くありました。

しかし、現在、明らかに好きなことで飯を食っている人(生活している人)が増えてきています。今後もこの勢いが加速することは間違いありません。

世の中を舐めるな!と言う人は、恐らく「自分が我慢しているのだから、周りも我慢して嫌なことをやって欲しい」という意味で意見している人が多い印象があります。これは言うまでもなく、建設的な意見ではありません。

まとめ

今回のコロナではっきりしたと思いますが、私たちは少し先がどうなるか分からない世界を生きています。

今までよく議論に出された「金融庁の老後2000万円問題」なんて、いかに馬鹿らしい話か分かると思います。だいたい人間が頭の中で考えた想定はどこか間違っています。「このままずっと何十年も今の社会が続くなら…」という前提ありきの想定であり、そんなことは100%ありえないのです。

上述した通り、苦労したところで成功するかは分からない、つまり結果が分からないのであれば、過程を楽しめることをした方が確実に良いです。

過程まで辛いのであれば、結果が出ないとき、それは他者への「恨みや嫉妬、妬み」となってしまう可能性が高いのです。真剣にやっていたなら、尚更そうなります。

 

誰かが言っている「苦労しないと成功しない」という常識を鵜呑みにするのではなく、非道徳でも何でも良いので、好きなことをして成果が出せないのか、まず真剣に考えてみることが重要だと思います。

私たちには、今、子供たちが好きなことで生きていける楽しい社会を作る責任があると思います。

ぜひ、自分がまず好きなことに夢中になってみてください。(なにも思い切って会社を辞める必要もありません。)そこがスタートだと思います。私もそう思って、実践しています。

 

これ、ないしょですよ…