
自己決定が幸福度を上げることが分かっています。
神戸大学社会システムイノベーションセンターの西村和雄特命教授と同志社大学経済学研究科の八木匡教授は、国内2万人に対するアンケート調査の結果、所得、学歴よりも「自己決定」が幸福感に強い影響を与えていることを明らかにしました。
参考)https://www.kobe-u.ac.jp/research_at_kobe/NEWS/news/2018_08_30_01.html
自己決定が幸福度を上げる
上司や親など目上の人に自分の行動を決めてもらうのではなく、自分で行動を決定し、それを実践していくことで幸福度(≒人生の満足度)が上がることが分かっています。
では、会社や組織でなんでもかんでも部下に決めさせて動かせるとよいのか?というと、絶対にそうではないと断言できます。
自己決定することが怖い人たち
自分で決定したことを遂行して生じた結果は必ず自分で引き受けなければなりません。自分で選び、決定したので、責任は全て自分にあり、誰にも文句が言えません。結果を自分で引き受けたくない人は、自己決定することを避けようとします。
一言で言うなら、自己決定することが”怖い”のです。
なので、どうしたらよいですか?と上司に聞いてくるはずです。やることは分かっているのに、上司や親、目上の人に確認をわざわざ取るはずです。
GOサインを他人に出してもらうことで、「自分が決めたのではない」という事実が欲しい訳です。
自己決定を避けていると不幸になりやすい
”他人に決めてもらって物事を遂行する”
これは一見まだ物事をきちんと判断できない子供がすることのように感じるかもしれませんが、大人でも多くの人がそうやって自身の行動を決めています。
例えば、良い大学に入り、サラリーマンになり、結婚して子供を持つ、という「世間が描く理想の人生モデル」をなぞった生き方をしている人も、ある意味他人が決めた人生を歩んでいるといえるでしょう。
これは無意識下のことなので、あえて意識しない限り、人は自分の行動を他人に決めてもらおうとします。なぜなら、その方が間違えた時や失敗したときの精神的ダメージが少ないことを心の奥では知っているからです。
人は楽な生き方を幸せな生き方であると錯覚してしまいがちです。
なので、まずは無意識で行っている決断を「本当に自分で決めたことなのか?」と疑うことから本当の自己決定を選択する道が開けてきます。
他人が決めたことを遂行し続けると人はやがて怒り始める
社会的には、親や上司などの目上の人に従うことが美徳だとされています。いわゆる「素直な良い子」を世間では求められ続けます。そしてそれに従う方が、周りと摩擦も起きないので自分も楽ですし、社会的にも認められやすく、成功しやすい場合も多いと思います。
しかし、それに従う限り、自己決定による幸福感は得にくいのです。
異常で凄惨、衝動的に事件を起こしてしまう青年の話がニュースで定期的に報道されますが、多くのケースにおいて、今まで”周りの期待に答えるためだけに生きてきた”子供時代を過ごした人が少なくありません。
彼らは一言でいうと激烈に怒っているのだと思います。
蓄積した強烈な怒り。
それは、”自分が自分でないことに対する怒り”です。自分が自分として周りに認めてもらえない、ありのままの自分を受け入れてもらえない悲しさ。それを彼らは分かって欲しいがため、怒りという形で表出させます。
彼らは無意識の中で、どうしようもないほど悲しみ、怒っています。
幸せに生きるために覚悟は必要か
自分が行動した後の結果を全て引き受ける覚悟があってはじめて、自己決定による人生の満足感、幸福感を得ることができます。
なので、幸せに生きるためには、一般的にはある程度の覚悟が必要であるといえるかもしれません。
しかし、覚悟が必要なことを常日頃決断し続けるのは、精神的に負荷が高すぎます。
そこで、私がおすすめする方法は以下になります。
- 人生に本当の意味での失敗や間違いはない
- ”自分が自分でいること”や”自分の行動を自分で決めること”は息をするように当たり前のことであり、当然の”人権”である
と心から信じることで、より気軽に自己決定し、幸福感を得ることができます。
そもそも、失敗や間違いがダメなことであるという思い込み(信念)を無くせば、特別な覚悟も必要なく、自己決定を自然に行うことができ、幸福を上げることができます。
これ、ないしょですよ…