
日本人は、お金の話をしたがらない割に、年収や収入で他人を判断しがちな拝金主義だといわれることがあります。
物欲以外を求める傾向が強くなっている
日本は戦後の貧しい時代から這い上がってきた歴史があります。結果、ほとんどの人が飢えることもなく、衣食住と生活の安全は保証される社会が実現されています。
その影響もあってか、日本では「お金と物を所有すれば幸福に近づける」という価値観が浸透しているような気がします。
しかし、現代の若者の中には、高級車やお金にあまり興味がない人も多く、よりお金や物欲ではない「自己実現」を目標にしている人もたくさんいるようです。
ネットで溢れる成金マーケティング
今まで、自分の人生について深く考える機会がなかった人は、ネットで流れてくる広告の、
- 不労所得で自由に暮らす
- 高級車やエステ、海海外旅行
などのキーワードに興味を示してしまいます。
これらの物欲を満たす行為は、その時に幸福度は上がりますが、すぐに元に戻ります。
なので、物欲を満たしたり、金銭を支払って幸福感を持続的に味わうためには、常にお金を払って高級商品を買い続けなければなりません。
そして、そのために「情報弱者(情弱:情報を自分で得ることができない人)」からお金を吸い上げ続けなければならなくなります。
短期的な視点では幸福になれない
確かに、海外旅行をしながら自由に暮らしている人を見ていると良いなぁと思うこともありますが、決して長続きはしません。人間はよくも悪くも「慣れてしまう」生き物です。
高級車を買っても、2年もすれば自分の中で普通になってしまいい、乗るたびに感動がある訳ではないでしょう。
犯罪も同じで、詐欺などで短期的に1億円儲けたとしても、その後、刑罰を受けるリスク、警察から逃げる精神的負担などを考えると、とても割に合う行為ではありませんよね。
それほど十分なお金がなくても、何も社会規範から逸脱することがなく、逮捕される心配もなく過ごす方がよっぽど幸せです。
物欲を完全に否定するわけではありませんが、あくまで短期的な幸福感しか手に入らないものと割り切り、より長期的な幸福を求めて、
- より良い人間関係を築くこと
- 健康を保つための努力をすること
- やるべきことに割く時間を減らし、やりたいことに使える時間を増やすこと
に重点をおいて人生を過ごしたいものです。まさしく、この考え方こそがwell-beingな考え方です。
これからの時代は、物欲ではなく、個人の健康やより良い人間関係を築くこと、自由に自分の好きなことをする時間を確保することにこそ幸福を求める人が増えていきます。
今後の日本経済の見込み
平成以降、日本経済は低迷しています。
政治を見ても過去の栄光に囚われ、複雑な仕組みを構築し、時代に合わせて簡単には変革できない状態です。
既得利権の維持を図る政治家と盲目的に現状を維持しようとする国民性もあり、これから日本が大きく改革され、以前のように「ジャパンアズナンバーワン」の地位に戻る事は難しいといわれています。
その中で、物欲や収入に焦点を置いた人生を送ろうと思うと、苦労することも多いと思います。
もちろんある程度の収入や物欲はあってしかるべきです。それを否定するわけではありません。
しかし、それ以外にも健康やより良い人間関係を築くこと、好きな人と時間を過ごすことなどに焦点を置いて人生を送ることが、これからのスタンダードな日本人の生き方になっていくでしょう。
元々日本人は「清貧」という言葉があるように、清く貧しく生きる事に美徳を感じるような人生観を持っています。
また、自然崇拝・多神教信仰の基礎があり、様々な自然物を崇拝し、尊ぶような文化があります。
それぞれがそれぞれの生き方を許容し、多様性の中で個々の得意や好き、才能を発揮して新しい文化を作っていく必要があると思います。